プロフィール

題名 Dear land,
作者 Fumi Onaka
制作年 2022年
サイズ 1121×1621mm
画材 キャンバス、アクリル絵の具

こんにちは。このサイトの管理人のFumiと申します。絵描きとして活動しています。

Fumi
Fumi

長女を出産後は、ず〜っと育児に奮闘中。良くも悪くも、考え事の多い人間です。

しゃかりき走ったと思ったら立ち止まり、またふと歩き、時々泣いたり寝込んだり!?

自分なりの歩幅で、長年活動を継続しています。

 私はこれまで、絵画作品を制作したり、発表したりして、絵画活動をしてきました。たくさんの方に作品をご覧いただいてきました。ご来場くださるのは、元々絵画鑑賞にご興味がおありでいらっしゃる方がほとんどかと思いますが、中には知り合いのよしみであったり、通りがかりでたまたま、と言う方もいらっしゃいます。「入ってはみたけど、よく分からないなぁ。」と言う風な感じで、立ち去って行かれる方もいらっしゃいます。

絵画鑑賞はお好きですか?

 絵画鑑賞、私はとても好きです。絵画そのものはもとより、静まり返った独特の空気感もとても好きです。誰かを誘うのも悪くないですが、私はもっぱら一人で行きます。自分のペースで、作品の世界観を味わいます。とても贅沢な時間です。

Fumi
Fumi

絵描きなので、もちろん見るより描く方が好きですけどね。

「絵の楽しみ方」が、さっぱり分からなかった子供時代

 そんな私も子供の頃は、絵の楽しみ方を全くもって知りませんでした。
 両親が何度か美術館に連れて行ってくれたおかげで、絵画に触れる機会はちゃんとありました。何となく楽しい時間ではありましたが、まだ「自分なりの絵の楽しみ方」が分からなかったんですよね。
 「自分なりの絵の楽しみ方」が何となく分かるようになったのは、本格的に「絵を描く」勉強を始めてからの話です。それまでは、美術館へ行っても、その場にいる誰よりも早く出口まで来ていたのを覚えています。具象画ならまだしも、抽象画なんてものはチンプンカンプンでした。マーク・ロスコの絵より、キュービィ・ロップの飴ちゃんを食べる方が好きでしたし、具象画にしたって、フェルメールの絵を見るより、ターバンでオシャレをする事に夢中でした。(もちろん、小さい頃に美術館で「何となく楽しかった」という経験をさせてもらった事は、間違いなく絵画鑑賞を楽しむための第一歩だったと思います。)

「リアルな絵は、上手な絵。上手な絵は、良い絵。」という勘違い

 ある日、私はたまたま一枚の抽象画(具体的な物を単純な形で再構成して表現したり、光や音・感情など無形の物を表現した絵)を目にしました。その絵には赤や青、オレンジ色など、色々な色の長方形がたくさん描かれていました。その絵を、自分なりに鑑賞しようとしてみたのですが・・・目の前がハテナでいっぱいに。その時の感情を子供らしく表現するならば、「で?」と言った感じでした。

 「リアルな絵は、上手な絵。上手な絵は、良い絵。」いや、んなアホな!と、今なら言えますが、その頃は知識がなかったために、大変な感違いをしていた当時の私にとって、抽象画はあまりに難解でした。具象画(人や風景・船や果物など、具体的な物を描いた絵)であれば、とりあえず「リアル!うまい!すごい!」という観点で見られたのですが・・・正直に、何の感情も湧いてこなかったのです。だけどなぜだか気になったのです。その絵にどんな秘密が隠されているのか。兎にも角にもその絵を指差し、たまたま近くにいた大人にこんな質問をしてみました。

リトルFumi
リトルFumi

あの、こういう絵は、どういう風に見れば良いんですか?

たまたま近くにいた大人
たまたま近くにいた大人

どうって・・・。(そんな事いきなり聞かれても。)

 誇張することなく、本当にこの通りの会話がなされました。抽象画だけに?なんとも抽象的な質問・・・。絵画なんてチンプンカンプン!な子供でしたので、そんなフワッフワの質問を投げてしまいました。大真面目だったんですけどね。子供ってすごいですね。

 その人はちょっと困った感じで一言、こう答えてくれました。

たまたま近くにいた大人
たまたま近くにいた大人

「自分の見たいように見れば良いんじゃないのかな。」

 ええ、あの頃の私に代わって、その節はありがとうございました。きっと気を使って答えてくださったでしょう。けれどもその言葉は、チンプンカンプンの腑に落ちませんでした。

チンプンカンプンこと、リトルFumi
チンプンカンプンこと、リトルFumi

(だからそれって、どういう事なの?

 むしろモヤモヤしてしまったんですね。モヤモヤしつつ、絶妙な空気にさすがのチンプンカンプンにも遠慮が発生してしまい、その会話はうやむやになってしまいました。ええ、もう一度、あの頃の私に代わって、なんかごめんなさい・・・。

●絵画鑑賞の極意=作家本人の話を聞く

 さて、チンプンカンプンはその数年後、本格的に「絵を描く」勉強を始め、少しずつ少しずつ、「絵の楽しみ方」を知って行きました。自分で描いてみる事で、鑑賞の仕方も分かっていったのです。ただ、多くの方はそういうわけにもいきませんよね。でも実は、「描く勉強」をしなくとも、絵画鑑賞を楽しむ方法はあるんです。それは、作者本人の話を聞くこと

 「絵描き」と一口に言っても、描く物やこだわりは十人十色なんです。具象画なのか、抽象画なのかはもちろんのこと、形の面白さを追う人・色にこだわる人・人体の美しさに魅せられた人・構図(レイアウト)に夢中な人・空間を追いかける人・多忙を極めるからこそできる表現方法をする人・伝えたいメッセージがある人などなど・・・本当に様々です。

 だから、一番良いのは本人に聞く事です。私も、ご本人がいらっしゃる時にはなるべくそうしています。「これはどう言う絵なんですか?」年上の方にも聞きます。もちろん遠慮しそうになりますし、人見知りなので、緊張もします。聞けなくてしょんぼり帰る時もあります。それでもなるべく勇気を出して聞きます。

 なぜ本人に話を聞くのか?それは、絵画鑑賞が何倍も面白くなるからです。そりゃそうです、こだわって、こだわって、作品に向き合い、汗をかいたその本人の話なんですから。

 描く側の方、つまり絵描きさんの中には、「説明しなければ伝わらないうちは、絵としてはダメだ。」とか、「自分なりに感じるものを感じてもらうのが芸術だ。」といったご意見を持った方もたくさんいらっしゃいます。でも、それはとても勿体無い事だと思います。だって、絵描きさんが絵を描く時にどんな事を考えているのか、単純に気になりませんか?思考の一片を聞かせてもらうなんて事は、とてもスリリングで興味深いやりとりだと思います。何より、難しいデッサンや美術の歴史を勉強をしなくとも、作品をグッと深く体感する事ができるんですよ。

前置きが長くなりましたが・・・

 そんなわけで、このサイトでは、絵描きである私自身が、しっかりと自分の作品の解説をして行きます。一枚の絵を完成させるためにどんな事を考え、なぜその表現を選んだのか、作品に込めた思いや感情などを具体的にご紹介したいと思います。 
 このサイトをご覧になって、私の作品にご興味を持っていただきましたら幸いです。個展の方にも、ぜひお越しください。

Fumi
Fumi

それでは、下のリンクから、最初の一枚をご覧ください。

育児で大パニック!涙目の絵描きが描いた絵

◆尾中 文(おなか ふみ)
1986年 和歌山県新宮市出身 
美術大学のデザイン学科を卒業後、制作活動を開始。出産・育児で活動休止後、徐々に活動再開。【受賞歴】

第101回二科展 二科新人賞 二科会
2017春季二科展 春季賞 二科会
第102回二科展大阪巡回展 産経新聞社賞 二科会
第53昭和会展 入選 日動画廊
平成30年度大桑文化奨励賞 桑教育文化振興財団
第52回関西二科展 関西二科賞 二科会
他入選・受賞多数

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